clogo.gif (2753 bytes)Clear Lake Amateur Radio Club

VHF/UHFのための安価なアンテナ

by Kent Britain, WA5VJB
edited by John Maca, AB5SS

日本語版製作 JAMSAT
原文はこちら

注:著者よりこの記事には間違いがいくつかあるので
こちらにある情報を参照されたしとのことです。


[編注: この記事に紹介されたアンテナはKentとキューバのアマチュア無線家との何度かのディスカッションの結果として製作されました。 数々の高性能なアンテナが設計されていますが、それらを作る部品の多くはキューバでは手に入らないのです。 キューバに秋葉原はないのです。 Kentはこれをひとつの挑戦と考えて、針金と同軸と木製のブームで作る本当に良いアンテナを設計しました。 最新のアンテナ設計のソフトウェアを使って、彼は 144 から 1296 MHz までのいくつもの設計をしました。 明らかに、これらの設計は実によく出来たものでした。 Kent は 432 MHz のものをアンテナコンテストに持ち込み、あと 0.2 dB のところで彼の設計をコピーしたハムに負けてしまいました。 負けた事は残念でしたが、Kentの設計したアンテナはとても再現性が高く、安定した性能を発揮することを実証したのでした。]


もしEMEのための高性能アンテナアレイを作ろうとしているのなら、このアンテナを使うべきではありません。 でも、アンテナに5万円かけずに移動局を作ろうとしているとか、自宅で使う良いアンテナが欲しいのなら読みつづけてください。

これらのアンテナは比較的コンパクトで、どこにでも入る材料と道具で作れるにもかかわらず、驚くべき性能を持っています。 給電方法はとてもシンプルで、同軸を直接輻射器に半田付けするだけです。 工作や調整の厄介なバランやガンママッチは使いません。 このシンプルな給電方法は、アンテナそのものをインピーダンスマッチングに使うことで実現されました。 輻射器と導波器と反射器との間隔はアンテナの給電点インピーダンスに直接影響を与えます。 ですから、設計はまず導波器から始めて、それから他のエレメントをその前後に配置していきました。 普通、高利得アンテナを設計するには、まずコンピュータにより最適化されたエレメント配置を算出し、その給電点インピーダンス、例えば31.9オームにマッチングを取るにはどうすればよいかなどと考えます。 そんな高性能アンテナも、0.5dBほどの利得を犠牲にすれば給電点インピーダンスへのマッチングは妥協できますし、完璧な輻射パターンをあきらめれば非対称な給電方式が使えます。 そして寸法に神経質になる必要のない、広い帯域幅を持ち、同じエレメント間隔で多エレメントに成長させられる、、、そしてなにより500円で簡単にできてしまうアンテナになるのです。

これらのアンテナに使ったブームは13mm x 19mm(日本では14x24が標準)の角材です。 エレメントはシリコンブロンズ(銅合金)の溶接棒や、アルミ棒、真鍮のチューブや接地用電線など何を使っても性能は変わりませんが、輻射器にはフィーダを直接半田付けしたいので、シリコンブロンズや真鍮や銅が良く使われています。 エレメントの固定には瞬間強力接着剤やエポキシやシリコンゴムなどを使います。 屋外で使うのならポリウレタン塗料を木材のブームに塗りましょう。 ポリウレタンニスを塗った 902 MHz 用八木はすでに1年間何ら性能が劣化することなく屋外で使えています。

さて、アンテナの設計についてですが、 これらのアンテナは、ほかのどの設計よりも高い “利得/費用 比” を得るべく慎重に設計されています。 これらは YagiMax を使って設計し、NEC を使って最適化されました。 輻射器の設計はアンテナ試験場で実験的に決定しました。 輻射器の設計は、長さ(L)と間隔(H)が異なるほかは、すべての周波数において同じです。 図1に輻射器の詳細を示します。

de-www.gif (5998 bytes) クリックで拡大表示
輻射器の構造

det2-www.gif (192456 bytes) クリックで拡大表示
Hが小さい時の給電部

detl-www.gif (212288 bytes) クリックで拡大表示
Hが大きい時の給電部

144 MHz. このアンテナは 144.2 MHz がピークですが 146.52 でも十分使えます。 輻射器の寸法はL = 978mm, H = 25mm エレメントの直径は3mmです。

144 MHzREFDED1D2D3D4
3 エレ 長さ
間隔
1041
0

216
940
508



4 エレ 長さ
間隔
1067
0

216
953
489
838
1029


6 エレ 長さ
間隔
1029
0

191
953
419
927
864
927
1321
832
1778


432 MHz. このアンテナは 432.1 MHz がピークです。 このアンテナは、特にこの周波数帯で、とても実用的で作りやすくなります。輻射器の寸法は L = 330mm, H = 10mm エレメントの直径は3mmです。
432MHzREFDED1D2D3D4D5D6D7D8D9
6 エレ 長さ
間隔
343
0

64
318
140
305
286
305
445
279
610





8 エレ 長さ
間隔
343
0

64
318
140
305
286
305
445
279
610
305
781
286 965


11 エレ 長さ
間隔
343
0

64
318
140
305
286
305
445
279
610
305
781
286 965298 1156298 1346279 1511


1296 MHz. このアンテナはいくつかのグリッドぺディションの貢献者ですが、まだ利得を実測していません。 寸法には十分に注意をはらってください。 輻射器はRG-58の代わりに0.141のセミリジッドを使えるほど小さいです。 エレメントの材質は何でもかまいません。 輻射器の寸法は L = 102mm, H = 13mm エレメントの直径は 3mmです。
1296 MHzREFDED1D2D3D4D5D6D7D8
10 エレ 長さ
間隔
109
0

43
99
71
96.5
102
95
163
95
221
93
310
91
396
91
490
89
584


435 MHz AMSAT. これらのアンテナを作るきっかけを与えてくれた事をKA9LVNに感謝します。 大きなものは完全にテストしていません。 FB比を大きく取ることを心がけて設計しています。 コンピュータは6エレメントにおいて 30 dB のF/B比を、その他については 40 dB 以上と算出しています。 NEC はそれぞれについて 11.2, 12.6, 13.5, 13.8 dBi の利得を予測しています。 19mmの角材に2組のアンテナを配置すれば垂直水平偏波両用になります。 2組を165mmずらして配置し、同相に給電すれば円偏波になります。 一組だけで移動用にしても良いでしょう。 輻射器は L = 330mm, H = 13mm, エレメントの直径は3mmです。 エレメント間隔はすべて共通です。
435 MHz AMSATREFDED1D2D3D4D5D6D7D8D9
6 エレ長さ340
315305305279




8 エレ長さ340
315305305305305282


10 エレ長さ340
315305305305305298298282
11 エレ長さ340
315305305305305298298298282
エレメント間隔 064140286445610775959114313211511

以上

著者の許可を得て翻訳 JAMSAT
原文はこちらにあります。
注:著者よりこの記事には間違いがいくつかあるので こちらにある情報を参照されたしとのこと。